RSS

★ 今日もつれづれ ハッピー ★ 第5回 「チョコレートの値段」

著者略歴


★ 今日もつれづれ ハッピー ★ 第五回 「チョコレートの値段」



 いよいよバレンタインシーズンの真っ只中ですね!
 百貨店をはじめとする各催し物会場で、バレンタインのイベントが次々オープンしています。

 皆様も、このチョコレートのお祭りに、自分用、義理チョコ、感謝チョコ、友チョコ、そしてもちろん本命チョコと、チョコレートをご購入する機会がおありと思います。
せっかくなので、これまたよくいただく質問ですが、チョコとお値段の関係をお話させていただきます。  

 チョコを販売していると「コンビニのチョコより、随分高いですね。」
と言われることが多々あります。

 板チョコで言えば、1枚100円代の、価格設定が安いチョコレートと、1枚1000円以上する高価な高級チョコレートとの違いについては、ブランド名だけではなく、まさに原材料の割合や内容、品質によるところが大きいです。  

 原材料がシンプルなので、ダークチョコレートを例とさせていただきます。
高価なチョコレートの原材料は、カカオマス+砂糖+カカオバター(ココアバター)です。これが安価なチョコレートの場合は、原料にカカオバターではなく植物油脂が使われていたりします。今度、商品に貼られている表示シールをご覧くださいませ。代用油脂として、植物油脂という文字を散見すると思います。  

 高級チョコレートと市販のチョコレートとは、材料としている製菓用チョコレートから違います。高級チョコレートが使用している製菓用のチョコレートは、「クーベルチュール」と呼べるものになり、「カカオ分が35%以上で、カカオバターが31%以上含まれている」等、厳しい国際規格をクリアした最高のお菓子の材料です。

 一方安価なチョコレートは、価格を抑えるために、高価なカカオバター以外の油脂を添加する等、クーベルチュールの規格から外れた、様々な配合や工夫がされており、本来のカカオの味を楽しむには不向きなものが多いのが現状です。  

 結果として、圧倒的な風味と口溶け感の違いが生まれてきます。
もちろん、美味しいチョコレートを、皆様に沢山楽しんでいただけるよう、価格については努力が必要ですが、品質がよく、値段も高い原料を使用すれば、必然的に製品の値段も高くなってきますよね。

溶かしたチョコの図


 ここまで説明をさせていただくと、「カカオバター」ってなに? という話になりますので(笑)、改めてカカオバターの説明もさせていただきます。知っている方は、ごめんなさい。

カカオバター(抽出して固めた物)

 カカオバターは、カカオ豆を搾油して得られる淡黄色の植物油脂です。
搾りかすがココアになります。高い理由がお分かりいただけると思います。

 また、先程もお話しましたが、圧倒的な口溶け感の違いは、カカオバターの特性によるものです。融点が体温より若干低めのため、常温では個体なので保管でき、体温で融解する(溶ける)性質があります。

なので、カカオバターの含有量が高いチョコレートは、お口の中で瞬く間にチョコレートがす~っと溶けていきます。もうミラクルなほどに(笑)。
食べて比べていただくと、代用油脂が入っていると、このようにスムーズに溶けることがなく、口の中に何か残るような感じがします。

違いが一度わかると、次からは、成分表を見なくても、代用油脂が入っているかどうかわかるほど違うことに気がついてしまいます。

 前にチョコレートのテイスティングのお話をさせていただきましたが、「タッチ(触れる)」の項目を思い出していただければと思います。
チョコレートを口に含み、すぐに噛まずに、ゆっくり舌で溶かしてみてください。
口溶けの違いや素晴らしさを感じると思います。

お目にとめていただき、ありがとうございました。
池田貴子

▲ページ上部へ


ページトップへ