2012年12月頒布会 シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 95年 96年 98年 3本セット木箱入り
12月度 頒布会ワイン・レポート
MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、
テイスティングで紹介していきます。
|
今回のワインはChateau La Joncarde(シャトー・ラ・ジョンカード)赤ラベルの90年代ヴィンテージ違いの3本セットです。 1995年、1996年、1998年とその年毎に表情を変えるワインの奥深い味わいをお楽しみください。豪華な木箱からも優れた品格が漂ってきます。
特別な方への贈答用としても良し、家でじっくりと味わいの違いを楽しむも良し。
それでは、熟成の風味をテイスティングで紹介していきます!
1995年・1996年・1998年 |
Château La Joncarde Red-label 1998
シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 1998年
つややかでハリのある外観中心は赤と黒を3:7で混ぜ合わせたような濃い色合い透明感はなくグラスの向こう側はまったく見えません。
中心からエッジにかけて、赤の割合がだんだんと強くなり、最終的にはこげ茶色へときれいなグラデーションを形成しています。このこげ茶色がレンガ色になり、やがてオレンジがかってくると、良い熟成を経た、古さの証しです。
コルクを開けてすぐは香りが閉じています。
黒こしょうとすみれの花の香り。複雑な香りはあまり感じられず、若干インパクトが弱いと感じさせます。 グラスを回していくと徐々に木樽の香りが目立ちはじめ、更に30分から1時間程置いておくと杉の香り、バラのドライフラワーのような香りが豊かに感じられます。
赤ラベルに共通して感じられるべっこう飴のような独特の甘い香りは、
このヴィンテージからは強く感じられません。
口当たりはなめらか。
タンニンがきめ細かく溶け込んでいます。
味の特徴はコクのある酸味。
程よくフルーティーさを残しながらもフレッシュな酸味とは違う、
梅干のような熟成感をもった酸味です。
アルコールがしっかり乗ったパワフルな感じを受けますが、それがこの酸味と合わさって違和感なく喉まですっと入ってくる。 後味に苦味がほどよく存在感を主張して心地良いバランスが取れています。 口に含んでから飲み込むまでが流れるようにスムーズで余韻は7秒。
他のヴィンテージと比べると果実感は一番強く感じるのですが、熟成の甘味をあまり感じません。 本当の飲み頃は2~4年後、ピークを過ぎるのは5年後ぐらいでしょうか。
液面には透明な層もしっかりと厚く、力強いアルコール感が予想できます。
ワインだけを飲んでいると
すこし飲み疲れしてまうかもしれません。
まさにペッパーステーキが食べたくなる味です。
牛肉の赤身の旨味、脂に感じる甘味、肉と合わせるならやっぱりボルドーだと強く思わせる味わいです。スペアリブや子羊など脂の乗った肉料理との相性は最高です。 また梅肉ソースを使った豚肉料理や鳥肉の香草グリルなど、臭みを消してさっぱりと食べられる料理にも合わせられます。
Château La Joncarde Red-label 1996
シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 1996年
(1998年とほぼ同じ)
つややかでハリのある外観中心は赤黒く濃い色合い。 1998年との差はほとんどありません。
敢えて違いを言うなら中心の色合い、赤と黒の比率が若干、黒味の方が強いといった感じでしょうか。熟成年数を考えるとグラデーションは少ないように思います。
スパイスの香りが支配的です。
香りの強さは96年の方がずっと強く始めから開いている印象があります。 カシスやプラムの香り、かつお節のような燻製香に加え、土のようなニュアンスもあります。 さらに時間が経つと独特のべっこう飴のような甘く香ばしい魅惑的な香りを感じる事が出来ます。
なめらかな口当たりに、とろりとした質感も感じられます。
果実が熟成した甘さが出てきています。
味の中盤には渋味と苦味が合わさったスパイシーなコク、パンチの効いた味わいのあとに、熟成したまろやかな旨味、果実の甘さとが渾然一体となっていていつまでも口の中で味わっていたくなります。 1998年と比べると、少しタンニンが強い印象を受けました。
この収斂味がこなれてくると、更に美味しくなると期待できます。
出汁のようなたっぷりと凝縮した旨味、重厚感を感じる余韻は8秒、長いです。
飲み頃は4~6年後、ピークはまだまだ先・・・ 8年後ぐらいでしょうか。
合わせる料理は煮込み料理やレバー料理など肉の臭みが少し残るような、すこし濃い目の料理。チーズと合わせるなら、カマンベールよりも熟成が進んでコクのあるブリー。
少しクセの強いウォッシュタイプを合わせるのも面白いです。
Château La Joncarde Red-label 1995
シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 1995年
他の2本と比べると全体的に茶色味が出ていてグラスの中心はルビー色。エッジ(縁)にかけて茶色が出てきています。 15年以上の熟成を考えるとグラデーションは少ないようです。
典型的な熟成香が出ています、醤油、出汁の香り。
ワインとは思えない、複雑で華やかな香り。
グラスを回すとその香りが他の香りと混ざって嗅ぎ取りにくくなる。
若いワインに見られる果実香もまだしっかりしています。
コルクを開けて15分程で香りが強く、開いてきます。
ふくよかで、ボリューム感ある口当たり。
渋味が先にきて、果実味の甘味が少ない。
渋味成分のタンニンが、熟成のわりに非常に豊か。
赤ワインの強さを感じる味わい。
ミネラルの苦味もアクセントになっている。
熟成感と隣り合わせの不思議な重厚感のあるワイン。
渋味はおとなしく、果実の熟成した甘みとハリのある酸味が、
味わいに深みをもたせています。
最初、この「甘み」と「酸味」がそれぞれ強く、別々の主張しているような印象を受けましたが、 30分程経つと この2つが1つにまとまって、筋の通った力強い味わいに変化していく。 ガツンとくる感じではなくて、喉を優しくすっと通り抜ける古酒の趣き。余韻は7秒、樽のふくよかな香りが残ります。 ただ、3時間ぐらいをピークに、苦味が少し強くなってくる印象を受けました。
1995年に関しては、出来れば開けたその日に飲みきった方が、美味しく飲めるのではないかと思います。飲み頃がピークを過ぎるのは1年半後か2年後か・・・。
個人的には今回の3本の中で、 ”今飲んで”一番美味しいと思えるのは1996年でした。
まさに飲み頃を迎えているワインです。
フォアグラ、脂の乗った牛肉、鶉など、素材に存在感ある肉料理とあいます。
燻製香のあるソーセージや厚切りベーコンにも。
熟成した風味を活かせば肉・魚・野菜と素材を問わず合わせていけます。
▲ページ上部へ
頒布会
|