2011年3月度 頒布会ワイン・レポート 2/3「早熟?ハーフボトルの白ワイン / プイィ・フュィッセ・テール・デュ・メニール 2005年」
ソムリエの追言
「早熟?ハーフボトルの白ワイン 頒布会ワイン・リポート VOL10-2」
※外国の方の読者も多くいらっしゃるので、漢字にふりがなをつけてお送りしております。
■プイィ・フュィッセ・テール・デュ・メニール 2005
今回の白ワインは「熟(じゅく)」にこだわってみます。熟成(じゅくせい)した白ワイン、なかなか、味わうことも少ないですし・・・。
濃い目の黄色に茶色やオレンジがかすかにある。
熟成が進んでいるのかも。
シェリーのようなアーモンドの香り。熟成を示す独特な香りです。
他に、カリンの砂糖漬けや蜜(みつ)の香りがとれます。熟したブドウからできたワイン。
柔らかい口当たり。熟成によって、酸味がこなれているから。熟れたグレープフルーツの果汁のような味わいアルコールのボリューム感が出す、しっかりとしたボディ。13%と白ワインでは、非常に高いアルコール。ブルゴーニュ地方の南ならではの、よく熟して糖度がたっぷりと詰まったブドウでないと、このボリューム感は出ないです。このふくよかなボディが、口にする時に柔らかな心地良さにつながる。温かみある、どこか「幸せ~」な気分にしてくれる。なので、シャルドネ種を使ったワインが人気あるのも頷(うなづ)けます。
この風味をあわせるには、手軽に天ぷらがお薦め。特に、ハスなどの根菜のほのかな苦味。白身魚のキスなどの、旨みの中にあるかすかな苦味。野菜・魚との相性は抜群です!
そして、合わせてわかるこのワインの熟成の力。たっぷりとした口当たりが、天ぷらの衣の油を自然にうけとめます。とろけて広がった先に、レモン果汁の様な清涼感(せいりょうかん)が追いかけてくる。こなれていたはずの酸味が料理と合わさって、蘇る。素材と引き合うミネラルの苦味。そして旨みを受け止めることができる熟成のコクが活きています。 goodです!
それにしても、2005年の白ワインにしては、熟成の進みが速い。500mlの小さいボトルということが影響しているはず。この造り手の別畑名のプイィ・フュイッセは、ここまで「熟」の風味はなかったです。同じプイィ・フュイッセの2005年でも、こんなに熟成感が違うのは驚きです。
「スッキリタイプ・ふくよか果実味タイプに飽きてきた」なんて人に絶対お薦め!気分を変えてくれる熟成を感じられる白ワイン!私なら、「こんなのどう?」なんて、したり顔で勧めて反応を楽しみたいです!