ボジョレー・ヌーヴォーとクリスマス・ケーキ
昔、昔、その昔、某お菓子メーカーに勤めていた私は、冬の寒い朝、日が出ていない6時ごろから工場へでかけていったのを思い出します。
その日は12月24日 クリスマス・イブ。
そう、その工場とは、クリスマス・ケーキをつくる工場でした。
今では知りませんが、クリームや苺をサンドするには、機械では出来ず、人の手によって作らなければならないから、とにかく人手がほしいのです。
朝から夕方まで、まぁ一体何個のケーキを作った(手伝った)ことやら・・・。
その後は、当然、一番の稼ぎ時の、クリスマス・ディナーの準備にレストランへ向かいましたっけ。
昔はレストランでワインが売れたなぁと思い出しますね。
と、何を話しているかといえば、下の記事です!
創業130周年を迎えるブルゴーニュの名門ネゴシアン「メゾン・ジョゼフ・ドルーアン」のボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー2010の予約受付が始まった。 ドルーアンのヌーヴォーは1959年に、3代目当主ロベール・ドルーアン前社長が、友人達を喜ばせようと、自ら手掛けた新酒を紹介したのが始まり。ボジョレ地区に大きなメゾンが創業される60年代に先駆けて、ヌーヴォーを瓶詰めして売り出した。(2010年7月23日 読売新聞)
これも、すごいですね。 なにがって、よく考えてくださいね。 ボルドーの高級シャトーの先物売り(プリムール)とは違いますからね。
この時期ワインはおろか、ブドウの収穫も終えてないどころか、ブドウの実も成分的にはまだまだ未熟です。
それを、遠い遠い日本で予約が開始されてしまうのは、驚きです。
ホント、ワインビジネスを象徴の一端です。ケーキは、売れるかどうかわからずとにかく、当日でも作り続ける。結果、大量に売れ残ってました。
一方、ボジョレーは、ワインができてもないのに、予約販売をする、いやしなければならない状況。
この2つに共通するのは、旬が 短いのです!その日を過ぎれば、価値は一気に下がります。
そのために、ケーキは作れるだけつくろうとする、ボジョレーは完全な保証が無いにもかかわらず、積極的に予約販売をする。どちらも、人間のエゴのような気がします。
ケーキを作っているときに思ったことは、今もやっているところ多いでしょうけど、完全予約制で丁寧に作り、味わってもらうほうが、より価値があって喜ばれると思ってました。
逆に、ボジョレーもお祭り騒ぎを控えめにして、出来たワインを売っていく形で楽しんでもらえばいいんじゃないかと思うんですが。
余談ですが、解禁日に売られているボジョレーは、後の春先に入荷するボジョレーよりも航空運賃分だけ高いです。
万一、予想通りの収穫が出来なかったら、一体どうなるんでしょうか。
詳しい仕組みを知らないで話てますが、どなたか、ご存知の方がいらっしゃったら教えてください。