レストランの美味しい料理とワインの関係?!その3
今回はレストラン側から見たBYOについてです。
はっきりいって、多くのレストランがBYOに消極的なはずです。
その理由は、利益が一番でるのが、飲み物だからです。
特にワインは、高額なものもあり、レストランにとっては、売上金額の稼ぎ頭にもなる存在です。
それを、お客に持ち込ませる。抵抗あるはずです。
普通、売上の3割くらいが、飲み物です。
単純に引き算してしまうと3割近く売上が下がる、利益もそれ以上に減ると考えてしまいます。
その根底にあるのは、料理は、目一杯無理をして、美味しい料理に仕立てられているということです。
料理で人を呼ぶために、多少の無理をしてその分、飲み物で取り返すといったところですか。
それは、昔なら通用した話です。
今の情報がすぐに入る時代で、ワインの値段が、ホントはいったいいくらなのか判ってしまう状況下では、逆効果のような気がします。
理想は、料理も適正なコストによる料金設定にして、飲み物が、カバーする役割を負わない形です。
これは、あくまで理想論です。でも、BYOが浸透すれば、より多くの来客が望め、ワインを飲む雰囲気が出来上がれば、自然と売上、利益も出てくると思うのですが。
次に対応の難しさやリスクも挙げられます。
現段階でワインの持ち込みをする人の多くはワイン愛好者です。
ワインについては、あるレベルの知識・経験をもっています。なかなかワインに慣れているスタッフでないと、その者に対して満足いく対応をすることは難しいです。持ち込まれているワインは、高価なものや年代ものが多いです。
そのワインに相応しい対応、例えば、グラスの選択、提供の順番、温度、デカンタージュの要否など。ソムリエならいざ知らず、置いていないワインへの完璧な対応を求められても難しいです。
ちなみに、古酒と呼ばれる熟成したワインなどは、コルクが弱くなってますので、開けるのにボロボロになります。
知っていれば、対処もスムーズにできるのですが、知らないと・・・。
もう一点は、扱ってないのですから、代えが効かないこと。
たとえ、そのワインが良い状態でない場合でも、提供を前提にしなければならないこと。
飲む飲まないかは、お客様が判断するべきで、レストラン側だけで変更できないことになります。
もちろん、同じワインがあるとは限りませんから、交換したくても出来ない場合のほうが多いです。
思いいれのあるワインであれば、なおさらのことですが、料理と共に美味しさを楽しんでもらう目的は達成できなくなります。
また、よくある例ですが、年代もののワインで、必ずオリが出ているだろうワインを、当日に持ち込まれて、すぐに飲む事は、非常に難しいものです。
もちろん、オリが舞って雑味がでることを承知の上でならいいのですが、そうやって、持ち込む人のほとんどはオリの存在すら知らない場合も多いです。
そこで、味わいについて「飲みづらい」「美味しくない」といわれてしまうのは、残念で仕方ありません。
いろいろと挙げましたが、どれも、BYOについての情報を伝えていくことによって、BYOが浸透することによって解決できる要因だと思っています。
どれも、ワインがもつ特殊性です。
そのことを知っていくにつれて、ワインを美味しく飲めることが判れば、誰だって学んでいくはずです。それも、BYOの魅力の一つです。
次回も、もう少しBYOについて、考えて見たいと思います。