★ 今日もつれづれ ハッピー ★ 第12回目 「テンパリングってなーに?!」
こんにちは。
先日テレビCMを見ていると、「テンパリングチョコレート」という、セリフが聞こえてきました。 ??? テンパリングって、チョコレートを作る際行う作業のことをさしますが、、、
あらためて見ると、商品名は別にありましたが(笑)、ちょっとびっくりしました。
「テンパリング」って言葉、浸透してきたということでしょうか?
以前、チョコレートのテイスティングの話をしたとき(第2-3回メルマガ掲載)、テンパリングについてご質問をいただいていたことを思い出し、今頃ですが(笑)、今回はテンパリングの説明をさせていただきます。
まずは、「テンパリングってなんですか~」ですね。
チョコレートを作るときに、チョコレートを溶かして、再度固めるときにする温度調整の作業のことです。
「なんでそんなことするの?」ですが、完成させたチョコレートの表面にハンテンが出ることを防ぐのと、作ったチョコレートのツヤ、口溶け、さらには形成の完成度を高めるためです。
きちんとテンパリングされ作られたチョコは、艶やかで、口溶けなめらかで、固まる時にちょっとキュと縮むので、モール(チョコレート)からも外れやすく、形も細やかに表現されます。
「なんでそうなるの~」は、チョコレートを作る高級製菓用チョコレートの成分に理由があります。 チョコレートの主成分は、カカオマス、カカオバター(ココアバター)、砂糖から作られています。
このカカオバターは、異なる融点を持ついくつかの油脂分で構成されています。よって、適当に溶かしてチョコレートを作ったりすると、表面にハンテンができたり、口溶けもイマイチなんてことになります。
一度、一定の温度に温めることによって、チョコレートに含まれるカカオバターを分解します。そして、安定した細かい結晶にし、カカオバターに含まれていた異なる融点の油脂分の融点を同一にします。
ではいよいよ、「テンパリングってどうするの?」に入りますね。
用意するものは、溶かすチョコレートに、お湯、氷水、大きさの異なるボール3個(中2、小1)、ゴムベラ、温度計です。
1. )下準備として、溶かすチョコレートを、細かく包丁で刻みます。大きさはなるべく同じになるよう注意してください。→小のボールへ(ボールの水気は厳禁です)
2. )ここからテンパリングの作業です。
中のボールに沸騰ちょい前のお湯(60度ぐらい)を入れ、チョコレートの入った小のボールを浮かべます。
小のボールの中にお湯が入らないように注意!お水が入ると、テンパリング失敗です。
3. )チョコレートの温度は、約43度(チョコレートの種類によって異なる)にし、分離しないよう、静かにかき混ぜ、チョコレートを完全に溶かします。
4. )完全に溶けたら、湯せんから外し、氷水を入れた中のボールに、小のボールの底をあてながら、チョコレートの温度が約28度(チョコレートの種類によって異なる)になるまで、静かに混ぜ続けます。
5. ) 28度になったら、再度、湯せんし、チョコレートの温度を、約31-32度(チョコレートの種類によって異なる)にします。 これでテンパリング完了です★
※調理は、⑤ の温度帯でおこないます。
結構面倒でしょう~。
テンパリングって、慣れないと大変です。
いきなり手作りチョコにトライすると、だいたい最初の挫折がココになります(笑)
さらに、チョコレートの種類によって、カカオバターの含有量が違うため、テンパリングの温度帯が違います。種類とは、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ダークチョコレートのことです。
ちなみに、温度帯が一番低いのが、一番カカオバターが入っている、ホワイトチョコレートです。
溶解温度(上記③のステップ)39-41度、下降温度(上記④のステップ)23-25度、調整温度(上記⑤のステップ)27-29度。上記の説明とちょっと温度が違いますよね。
さて、こちらもあまり知られていませんが、テンパリングの手法もいくつかあるので、せっかくなので簡単に説明しますね。
テンパリング方法
1. )水冷法:上記の湯せんにかける方法です。
2. )ダブリール法:43度に溶かしたチョコレートの1/2 - 2/3を、マーブル台の上に取り出し、 広げたり、集めたりしながら均一に冷やす方法。 28度まで下がったところで、残りのチョコレートと合わせて、再度31度になるよう調整します。よくTVでショコラティエの方がなさっている、アレです。
3. )フレーク法:43度に溶かしたチョコレートに、テンパリングされたチョコレートを細 かく刻み、少しづつ加え、混ぜていきます。31度になればテンパリング完了です。
いかがですか?
簡単にテンパリングと言っても、奥が深く、技術がいる作業です。
こういった作業を含む、デリケートなチョコレートの扱いができないと、ショコラティエ にはなれません。
高級クーベルチュールで作られた手作りチョコが高い訳は、ご理解いただけたのではないでしょうか?
謹んで(笑)、今日も、美味しいチョコレートを食べたいな~ と思います。
結局、なんだかんだと言っては、チョコレートを食べるのですが(笑)
お目にとめていただき、ありがとうございました。
池田貴子