小高い丘につづく、わき道に車がはいっていく。
雑木林(ぞうきばやし)を抜けると、両側に開ける眩(まぶ)しい緑。
丘の上まで、見渡す限りのブドウ畑。
そこに連なっているのは、キレイに手入れされ、一定の高さに揃ったブドウの樹木。
<横から見ても、斜めから見ても、直線に揃っています!>
向かうはヴィュ・シャトー・ラモット。
フランスの一大ワイン産地のボルドーの中でも、 ベスト10に数えられる広大な畑をもつワイン生産者。
その広さ 130ヘクタール。
東京ドーム のグラウンド100個分になります。<計算しちゃいました>
いくつもの畑を通りすぎて、醸造所(じょうぞうじょ)・セラー兼オフィスへ辿りつきました。
人なつっこい番犬の泣き声が出迎えの合図。
オーナーのデヴィッド・ラトゥースに、マダム・ラトゥース
栽培担当のジャック・ラトゥースや、 デヴィッドの奥様や愛娘までがお出迎え。
挨拶(あいさつ)が終わるやいなや、早速すぐ横手の畑へ。
午後9時になるというのに、日本の夕方のような陽射しが差し込むブドウ畑。
緑の葉、とすでに実がたわわについた緑のブドウが、オレンジ色を浴びている。
高い建物もなく、360度見渡す限りが、全てヴィュ・シャトー・ラモットの畑。
そこでは、オーナーである、デヴィッドが他の畑との栽培の違いを丁寧にかつ情熱的に説いてくれました。
その熱い思いは、通訳する道上が、我々に対しての日本語を間に入れられないほど。
広大な敷地(しきち)をもつヴィュ・シャトー・ラモットは、もちろん歴史もあります。
デヴィッド氏が4代目。
この地域で、常に革新的(かくしんてき)な手法を取り入れてきた。
機械化でコストを削減できるところは機械化に。
ブドウの樹木の畝の間隔(かんかく)が3mと広いのも、ラモット社が始めて導入したブドウ樹専用の自動収穫機(じどうしゅうかくき)を使うため。
もちろん、それだけでなく手摘(てづ)みも行なう。
改革の失敗を恐れずにできるのは、先代が増やしていった広い畑があるから。
今でも、栽培に対する挑戦は続いている。
醸造コンサルタントとして、一躍有名になったミシェル・ローランにも一時期監修してもらうもその後は、彼の良いところだけを取り入れ、独自にワイン造りを進化させていっている。
彼らが目指しているワインが「美味しいワイン」だけでなく、いかに「リーズナブルに楽しめる」かが大事であることが、ひしひしと伝わってきます。
デヴィッド氏の眼が、時に真剣に、時に温かに、我々と、ブドウ畑を行き来する。
恐らく、この後の予定がなければ、1時間でも2時間でも話し続けるでしょう。
それだけ、ワインというものに、魂をこめている。
逆をいえば、ワインが人を魅了している。
あっという間に30分が過ぎた。もう21時を回っています。
歓迎のディナーの準備も整ってきたようです。\(^o^)/
夕闇が近づく、シャトーのエントランス前で軽くアペリティフ。
自家製のフォアグラを使ったカナッペ、メロンと自家製の鴨の生ハム。
自家製というところがやはり、シャトーならでは。
そして、ワインは
ヴィニョーブル・ラトース・キュヴェ・スペシャル L 2009年 (リンク先は2016年)
樽の風味で、コクのある味わい。
この季節の屋外、しかも夕暮れに飲むには、最高のワイン。
さすがのセレクション!
広大なブドウ畑とヴィュ・シャトー・ラモットに、そして、これから、出てくる大量のご馳走ディナーに 乾杯!