12月度 頒布会ワイン・レポート 3/3
「シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1993年 【木箱入り】」
MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。
今週は、20年を超える熟成ワイン、
「シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1993年」のテイスティング・レポートをご紹介します。
シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1993年
ボルドーAOC
メルロー:50%
カベルネ・ソーヴィニョン:50%
熟成しているワインですね。
当然、澱(おり)が発生しているはずです。
飲む前、最低1日、できるなら1週間程度 ボトルを立たせておくとより美味しく飲めます。
このワインは静かに開けてください。
できるなら、グラスをボトルの口につけて注いでください。
こうすることで、澱を攪拌(かくはん)するのを防ぐことができ、雑味が混ざらなくなります。
20年を超える熟成、余韻も短くなってきていることから開けたらできるだけ早く飲み切って下さい。翌日に持ち越さないことをお薦めします。
【外観】
色合いは黒、赤(というより紅)、そして茶のグラデーションとグラスの縁の色合いの透明感の美しさ。
このワインは、赤はもちろん、中心の黒味の部分から徐々にグラデーション色の変化が見て取れると思います。
今回のワインのように段階的に色が異なっているワインは熟成をしていることの証です。
【香り】
独特の香りがしますね。
少し蒸れたような香り、そこには、爽やかな果実の香りはありません。果実というより、花、それもドライフラワーを感じます。
そこにスパイスがあわさったかのような感じです。
スパイスもコショーなどではなく、東洋的な風味のつよい、クローブ(丁子)でしょうか。
軽くグラスを回すと少し爽やかさが加わったフレーバーティーが感じられます。
時折、和食たれ・だしを思わせる香りもあり、
気が付くと香りの中心は徐々にスパイスの香りが強くなっています。
【味わい】
口当たりが非常になめらか。丸みを帯びたなめらかさです。
そしてこなれた酸味。果実味が酸味と溶け合っている感じです。タンニンによる渋味が感じられワインにコクを与えています。
果実味を増幅してみましょう。ワインを口に含み、口先をすぼめ、少し開きそこから空気を吸い込んでみてください。果実の風味が口の中に広がりますでしょうか。
余韻は短めです。時間が経つと旨みがでてきます。
イメージ的には、かすかに味わいを感じる程度に薄めた醤油、かすかなかつお節の風味のような感じです。
この旨みが熟成ワインの最大の魅力です。
【料理】
舌先に意識を集中させると鉄分を感じさせるような風味も感じます。
この風味があると赤身の肉にあいます。この鉄分としっかりした渋味を考えると、合わせる料理はやはり牛肉の脂身が少ないものをシンプルに焼き上げたものが良いかと思います。
赤身の部分にはその鉄分が合わさり、肉の風味・野性味を強調し、肉を食べていることを実感します。
またもう少し手軽なローストビーフに肉汁を焦がしてかけて焼き上げたものなど香ばしい風味や肉の甘みのような旨みにワインの旨みが良く合います。
こういった肉料理の旨み・野性味には、熟成した赤ワインの出番です。
他のお酒では味わえない相性を感じさせてくれます。
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