MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。
今週はその中から、シャトー・ラヴェルニュ 2000年 / シャトー・ピュイ・ランドリー 2001年
のテイスティングレポートをお届けいたします。
【タンニン?しゅうれんせいって?】
お、お歯黒?
鏡を見てビックリ。赤ワインを飲んでいただけなのに、唇が、歯が、紫色に染まっている! タンニンがしっかりとある赤ワインであったことの証。
タンニンとは、ワインの渋味成分。健康に良いと話題となった抗酸化物質<ポリフェノール>のうちの一つです。
お茶のカテキンも、タンニンと同じポリフェノールです。
テイスティングコメントでは、粗い、強い、落ち着いた、丸くなったなんて表現されます。
そう、本当は、味覚ではなく、触覚。だから、イガイガ、トゲトゲ、ザラザラなんて言葉がピッタリ。 こういう言葉はフランスにはないようで、ソムリエ言葉で<収斂性なんて、医療用語が使われました。
口の中や歯茎が、キュッと引き締まる感覚、後は、口の中の水分を奪われるような感覚でしょうか。
【渋さの中にあるヒミツ】
「うわぁ、暴れている!」
リリース直後の、シャトー・ラフィット・ロートシルト。
試飲した時の率直な感想です。
美味しさ は 一体、何処?上品さは?
ブドウのエキスが詰め込まれた超高級ワインのタンニンは強すぎるほどです。
でも、このタンニンが、抗酸化物質ゆえに、急激な酸化を防ぐのです。そして、ゆるやかな熟成をもたらし、あの素晴らしき熟成の世界へ導いてくれるのです。
<官能的なトリュフのような匂い立つ香り、単なる飲み物を越えたなめらかな口当たり、旨みと果実味が溶け合い、酸味とコクの調和の取れた味わいは口の中にあるのに、まるでワインに包まれているかのような錯覚を・・>
ブドウの種、果梗<かこう:実についている枝のような部分>、そして果皮に含まれるタンニン。
どれも、それだけ口に入れたら苦そうなイメージ。
ワインつくりにおいては、ブドウを丸ごと漬け込むことによってワインにその苦・渋味が移っていきます。
中でも、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローは、タンニンが豊富なブドウ。
だから、そのブドウでできたボルドーの赤ワインは長期熟成できるのです。ブドウの実がよく熟せば、タンニンも上質で、強くなる。
つまり、良いヴィンテージのワインは、タンニンが強く、そのタンニンによって守られ、ゆっくりと熟成していくのです。
シャトー・ラヴェルニュ 2000年
【外観】
黒味がかったガーネット
中心の黒味が(ピュイ・ランドリー 2001より)強い
エッジは、赤・朱色・茶色がかすかにある。
【香り】
プラック・ペッパーのようなスパイスの香り それと、独特な湿った土。
熟成にみられる香り。グラスを回すと、プラムのドライフルーツ、濃い目の香りワインらしい果実の香りが蘇ります。
【味わい】
ふくよかな口当たり渋味成分タンニンの大きさと強さがしっかり感じられます。
歯茎を引き締める収斂性も。丸みを帯びてきているニュアンス。
最初に、果実の甘さを一瞬感じるものの味わいの中心はコクと渋味。余韻も長めで、スパイシーな風味が続きます。
2本のコート・ド・カスティヨンのヴィンテージ違いを比べました。やはり、2000年の良いヴィンテージのラヴェルニューが、2001年のピュイ・ランドリーより味がしっかりとしていました。
ヴィンテージの差で、熟成の進み具合が逆転することが この2つのワインで実感できたと思います。
そして、その正体が<タンニン>であることを。
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