2022年12月度 頒布会ワイン・レポート 1/2
「アルゼンチン産 牛肉」
「ジョンカード赤ラベル1988年 マグナムボトル」
「ジョンカード赤ラベル1998年 マグナムボトル」
MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。
今回は
極上赤ワインセットの方に、「お肉」と「ワイン塩」をおつけさせていただきました!!
※お肉はアルゼンチン産です。
12月の頒布会は、こちらをお届けさせて頂きました。
極上 赤ワインセット |
特選 ワインセット (月々7,500円) ■猪ジャーキー ■シャンパーニュ・ジラルダン マグナム ■ジョンカード赤ラベル1998年 マグナム |
選り抜き ワイン2本セット (月々6,000円) ■シャンパーニュ・ジラルダン ■ジョンカード紅白ラベル2011年 |
をお届けさせて頂きました。
シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル2011年は現在一般販売をしておりません。
今回特別にお届け致しました。
お肉のお薦めの焼き方を紹介します。
下記 YouTubeからでもご覧いただくことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=qFoHLnG6IvE
和牛は鉄板焼きで有名ですが、グリルにおいては何と言ってもアルゼンチン・パタゴニアの肉です。
2番目がボルドーのアントルコート(牛肉の部位)。
まだあまり世に出回っていませんが、3年あまり前にアルゼンチン肉が輸入解禁になりました。
ボルドーのメルローが牛肉に非常に合います。
白ラベル及び黒ラベルは80%がメルローです。
紅白ラベルが約50%がメルローです。
是非メルローに漬けた塩をふりかけてブラックペッパーで召し上がってみて下さい。
肉は脂の部分から焼いて頂き、レア状態に焼き上がりましたら火を止めてフライパンに網をかぶせその上に肉を乗せて下さい。
数十秒でミディアム レア(セニョン)、血が出るか出ないかの状態ですが、私は個人的にこの状態が一番好きです。
決してソースなど作らず、塩・胡椒で召し上がって下さい。
そうすると、昔ながらの手作りのシャトー・ラ・ジョンカードが更に楽しめます。
肉は表面はしっかり焼いて良いと思います。ただ、同じ場所を2度も3度も焼くのはお薦めできません。基本はまず脂から焼いていきます。
お好みですが私の場合はニンニクを相当入れます。
お肉はやはり強火で焼いてみて下さい。
ある程度焼けましたら火を切って網の上にお肉を乗せます。そして冷まします。
焼き続けると肉は固くなってしまいます。
網に乗せますとブワーッと肉が伸びるかのように柔らかくなります。ぜひ試してみて下さい。
今回皆様に是非試していただきたくお送りさせて頂いたのがメルローのワインにつけた塩です。
これを肉の上に振り掛けて頂いて、あとはブラックペッパー。ソースとかそういうのにこだわらず、こうしたシンプルなものが一番美味しいです。
やはりボルドーワインというと多少渋味を感じます。
塩・胡椒・脂身となりますとこの渋いワインに非常に合います。そうするとそれが旨味になります。私はそれが非常に好きです。
今回、是非美味しいワインと美味しいお肉を味わっていただきたいと思いお送りさせていただきました。
ボルドーAOC
メルロー:20% カベルネ・ソーヴィニョン:75% カベルネ・フラン:5%
【マグナムボトルについて】
フランスワインの標準的な、ボトルサイズは750mlであるのに対し、
マグナムサイズは2倍の1500mlの量が入っています。
ワインは、ボトルのまま寝かせておいても、どんどん熟成が進んで、美味しさや香りを変化させていきますが、マグナムボトルで寝かせておくと、このボトル内の熟成がさらに、美味しさをアップさせるといわれています。
この秘密は、マグナムボトルのややずんぐりとした(1500ml)形状にあります。
注ぎ口の大きさが、750mlの標準ボトルとあまり変わらないのに、胴体部分がどっしりとして、注ぎ口部分の空気にワインが触れにくくなり、 より安定した熟成作用をもたらします。
更に、量が多い為、一般の750mlよりも熟成が穏やかになり、 深みのある良質で飲み応えのあるワインに仕上がってきます。
グラスの中に、紅葉の微妙な色調の変化を少しずつ詰め込んだような、不思議と温かみを感じさせる色合いです。
若いヴィンテージのジョンカード赤ラベルでは、 黒や紫の色素が強くグラスの向こう側が見えない程に濃い色調を湛えていますが、 30年以上の長き年月を経て、ワインに透明感をもった輝きが出ています。
引き込まれる程の美しいグラデーションは熟成ワインのみに与えられる勲章です。
この外観の美しさ、どことなく出ているはかなさは若いワインには出せるものではありません。
香りのボリュームをしっかりと感じます。
グラスを回さずに香りを嗅いで見ると、ハーブとスパイスがあわさった香り。
それ以外は、最初にとりづらいですね。
スミレやバラのドライフラワーの香りとでも表現しましょうか。
グラスを回して香りを発たせると、赤い実の皮のような、香りがします。
ドライプルーン、干しイチジクのような香りもあります。
とにかく、表現が難しいですね。まさに複雑。
2分もすると、他の香りもでてきます。削り節でしょうか。
このあたりは、いま、すこし、刺激的に感じますが、もう少しすると、出汁や醤油の香りに繋がってくると思いますよ。
あとは余り言い表現ではありませんが、タール のような香りもとれます。
様々な香りが現れては、徐々に混ざり合っていき、えもいわれぬ熟成香を発しています。
ナッツのような、香りがそれです。 徐々に甘いキャンディーのような香りも現れてきます。
これらの成分が絡みあってまとまり、一つの芳香をつくっています。
その芳香の塊に入りこんでみると、初めて、この香りは 花だ 果実だと 解かる。
で、一瞬で、まぎれていく。
そう、これが熟成ワインの香りなのです。
酸味が張りをあたえ、しなやかさを持ちあわせた、まろやかな味わい。
厚みのある柔らかさが、心地よさを感じさせます。
この感触は、熟成ワインならではです。
軽い赤ワインでは、この厚みはでませんし、若いワインでは、このなめらかさはないです。
まさに、ビロードなんて表現が当てはまるでしょう。
しかも1988年産でありながら十分に果実味を感じます。
ただ、面白いのは、果実味に渋味が溶け込んでいる様子、果実味の成分が粒として網目にならんでいるところに、 渋味が入り込んでいるような感じです。
意識を集中すると、果実のボリュームが、縦にも横にも感じるさまは、ジョンカード赤ラベルならではの生命力、躍動感です。
渋味も細かいながら、強さを発揮しています。
すこしザラツキがあるほど。なかなか、こんなワインには、出会えません。
味わいの変化をはっきりと感じます。
30分もすると、果実味のなかに、よりなめらかな甘旨さがでてきます。
若いワインの濃さの中にある果実味とは違い、染み渡るような広がりのある果実味が印象的です。
甘味も、単なる甘さではなく、丸みを帯びた甘味と磨かれた甘味が一体となったような。
あくまでイメージですが、上質な砂糖を、煮詰めてカラメル上にしたものを、これまた上質な軟水で味を調えたエキスのような味わいでしょうか。
旨みは、かすかながらも、その存在をみせ、ワインの奥深さを醸し出しています。
グラスの中で起こる現象の正体は単なるワインというよりは、たゆらいながら変化をとげる至極の液体です。
1988年のワインが熟成をしつづけているまさにその瞬間を、感じます。
ただの熟成ワイン、単なる良いヴィンテージワインではこの現象を感じることはできないでしょう。
飲み終わると、今まで存在したはずの舌上の幸福がはかなく、幻のように姿を消えた瞬間に、奥から呼び起こされる、かすかに熱さをともう、余韻がさらなる心地よさをかんじさせてくれる。
その余韻も、10秒とやや長め。まだ熟成ができることを、私達にアピールしています。
全体的な味わいを例えるなら、プロフェッショナルから芸術家へ変貌していくような感じです。
なめらかさ、果実味が洗練されていながらも、そのパワーを感じるさまは、まさに芸術の域に入ってきています。
口にしたときに、人々の表情を悦びに変えるワインとは、まさにこのワインです。
また、お飲みになる1週間位前から、ボトルを立てて、澱を底に沈めておくとより素晴らしい熟成の風味をお楽しみいただけます。
そしてお召し上がりの直前に開栓して下さい。
開栓後は、デリケートな味わいのため、開栓したその日のうちに味わうことをお薦めします。
※澱は自然由来の成分なので口に含んでも人体や健康にはまったく問題はございませんが、澱が舌に触れるとざらつきや酸味、エグ味や苦味を感じる事があり、ワインの飲み心地が悪くなり、せっかくのワインの風味を損ねる事になってしまいます。
この澱ですが、長く熟成された上質な赤ワインに多く見られるもので、 澱がしっかり出ている事が上手く熟成が進んでいる目安にもなります。
マリアージュなる、料理の組み合わせも、このワインにおいては、こだわる理由もうなづけます
ボルドーAOC
メルロー:20% カベルネ・ソーヴィニョン:75% カベルネ・フラン:5%
透明感はなくグラスの向こう側はまったく見えません。
中心からエッジにかけて、赤の割合がだんだんと強くなり、 最終的にはこげ茶色へときれいなグラデーションを形成しています。
このこげ茶色がレンガ色になり、やがてオレンジがかってくると、良い熟成を経た、古さの証しです
黒こしょうとすみれの花の香り。
複雑な香りはあまり感じられず、若干インパクトが弱いと感じさせます。
グラスを回していくと徐々に木樽の香りが目立ちはじめ、 更に30分から1時間程置いておくと杉の香り、バラのドライフラワーのような香りが豊かに感じられます。
赤ラベルに共通して感じられるべっこう飴のような独特の甘い香りは、 このヴィンテージからは強く感じられません。
味の特徴はコクのある酸味。
程よくフルーティーさを残しながらもフレッシュな酸味とは違う、 梅干のような熟成感をもった酸味です。
アルコールがしっかり乗ったパワフルな感じを受けますが、 それがこの酸味と合わさって違和感なく喉まですっと入ってくる。
後味に苦味がほどよく存在感を主張して心地良いバランスが取れています。
口に含んでから飲み込むまでが流れるようにスムーズで余韻は7秒。
他のヴィンテージと比べると果実感は一番強く感じるのですが、 熟成の甘味をあまり感じません。
液面には透明な層もしっかりと厚く、力強いアルコール感が予想できます。
まさにペッパーステーキが食べたくなる味です。
牛肉の赤身の旨味、脂に感じる甘味、 肉と合わせるならやっぱりボルドーだと強く思わせる味わいです。
スペアリブや子羊など脂の乗った肉料理との相性は最高です。
また梅肉ソースを使った豚肉料理や鳥肉の香草グリルなど、 臭みを消してさっぱりと食べられる料理にも合わせられます。