2022年11月頒布会ワインレポート2/3

2022年11月度 頒布会ワイン・レポート 2/3
「シャトー・ルボスク2010年」
「スィニアテュール・ドュ・クロ・サンヴァンサン2010年」


MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。

今週は「シャトー・ルボスク2010年」「スィニアテュール・ドュ・クロ・サンヴァンサン2010年」のテイスティングレポートをお届けします。


シャトー・ルボスク 2010年

AOCメドック/クリュ・ブルジョワ
カベルネ・ソーヴィニョン:62% メルロー:26% カベルネ・フラン:7% プティヴェルド:5%

シャトー・ルボスク

シャトー名でもある、「ルボスク」とは「高い場所」という意味を持ち、 ジロンド川に面した左岸の丘の上、海抜25mの高さにシャトー・ルボスクは建っています。

太陽の光とともに川からの反射熱で葡萄は完熟し、高い場所は水捌けに優れるため、ワイン用の葡萄を育てるうえで最高の条件を兼ね備えているといえます。

造り手のジャン・ミッシェル・ラパリュが「より身近に、美味しいワインを」を コンセプトに 誠心誠意作りあげた渾身の力作です!

外観

黒味の強い、凝縮感あるガーネット。

グラスとワインの接点を見ると、グラデーションはほとんど出ていません。

透明な層が分厚い事から、まだ若く、それでいてアルコールがのったフルボディ・タイプである事が分かります。

香り

コルクを抜くと 生命力を感じさせる活き活きとした葡萄の香りに心地良い土の香り、すこし焦がしたトーストのような香ばしい香りが広がります。

このトーストのような香りは、樽からのロースト香がワインに溶け込んだものです。

ワイン全体の香りにアクセントとふくらみを与えています。

この香りは栓を抜いてから20分から2時間ぐらいの間がもっとも強く出ます。

味わい

口当たりはなめらかでドライ。 はっきりとした質感をもっています。

酸味は大人しく、甘くない黒蜜のような苦味を伴ったコクが残ります。

口の中でワインを広げていくとタンニンはしっかりしており、 上顎のあたりで”ざらり”とした質感を感じます。

若干、喉に引っかかるようなクセがありますが、「イガイガ」とか「ギシギシ」といったネガティブな印象ではなく、心地良い個性として感じる事が出来ます。

余韻は長く、エスプレッソのような苦味が口の中に残ります。

料理

オススメしたい料理との組合せは、 このワイン特有のロースト香と、印象的な質感にあわせてガーリックトースト、 パルミジャーノ・レジャーノ、ミモレットなどのハードチーズを 厚めにスライスしたもの、 ハーブの香りをつけた鳥肉や豚肉のローストなどと 一緒に食べたくなる味わいです。

シャトールボスク 2010年


スィニアテュール・ドュ・クロ・サン・ヴァンサン 2010年

フランス国旗 AOCサンテミリオン グラン・クリュ
メルロー:100%

スィニアテュール2010年

グランクリュの風格!ワイン専門誌 「ワインスペクテーター」90ポイント!

サンテミリオンはボルドー地方のメドック地区(シャトーラフィット、ムートンなどがある) と双璧を成す歴史有る高級赤ワインの産地です。

その中でも、サンテミリオン・グラン・クリュ(特別級の意)と名がつく分類は、 他との差別化を図って高品質なワイン造りに取り組んできた証でもあります。

通常のサンテミリオンとは別格視されています。

スィニアテュールはフランス国会議事堂、上院議員レストラン、ボルドー市庁舎御用達の逸品。

世界的な醸造アドバイスの権威、ミシェル・ローランも愛飲。

成田空港内エールフランス航空ファーストクラス、ビジネスクラスラウンジにも採用された実績のあるワインです。

外観

縁に紫色を強く残す、赤みを帯びたルビー色。中心の色は赤黒く、向こう側がほとんど見えません。

当店には、同じスィニアテュールのヴィンテージ違いで2005年と2007年がありましたが、2007年と比べて色合いにほとんど変化はあまりありませんでした。

濃縮した濃い果実味である事が予想されます。

香り

カシス、ラズベリー。

可愛らしい実をつけたベリー系の果実味から、グラスを回していくとスパイスの香りが支配的になっていきます。

スパイスと言っても胡椒のような尖った香りではなく八角や甘草といった漢方薬に近い柔らかい香り、樽香からくる木の香りもとれます。

さらに時間を置くと松の葉や杉など針葉樹林の清々しい香り、鉛筆の炭素の香り、チョコミントのような爽快感を伴った甘い香りが出てきます。

味わい

なめらかでしっとりとした口当たりなのに、口に含むとどっしりとした重量感が感じられます。

メルローの柔らかい果実味の中に、しっかりとタンニンが溶け込んでいます。

酸味は優しく、全体にふくよかな印象を与えています。

鉄や鉛といった鉱物を感じさせるニュアンスが強く、独特のミネラル感が口の中に広がっていきます。

この辺りの鉄分の要素が、サンテミリオンの地質からくる特徴といえます。

外観から予想した通り、果実味はぎゅっっっと凝縮しています、2005年のスィニアテュールと比べても遜色がない・・・むしろ勝っているのでは!?と思わせるぐらい、若々しい力強さがあります。

タンニンはまだ荒く、舌先・歯茎でしっかりと感じられます。

一般的にメルローはカベルネ・ソーヴィニョンに比べて果実味が柔らかくタンニンも少ないため、熟成の早い時期から美味しく飲めると言われています。

このスィニアテュールもメルロー100%のワインなので、若いヴィンテージではありますが今飲んでも十分に味わいの広がりを感じる事が出来ます。

しかし、このしっかりとしたタンニン・・・将来にわたって熟成が期待できるメルローです。

料理

料理に合わせるのであればやはり肉類、牛肉や仔羊肉です。

鉄を感じさせるミネラルから、すこし血が滴るくらいのレアに焼き上げた肉とは最高の相性です。

様々なスパイスをたっぷりとまぶしたロースト・ビーフもいいと思います。

チョコレートと合わせるのであれば、カカオの含有率の高いビターチョコレート。

プラリネ、アーモンドや胡桃をコーティングしたチョコレート。

いずれも、味わいはビターである事が必須条件になります。

スニィアテュール・ドュ・クロ・サンヴァンサン