2月度 頒布会ワイン・レポート 1/3
「【木箱入り】シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1998年」
「【木箱入り】シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 1996年 マグナムボトル」
MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。
2月の頒布会は、こちらをお届けさせて頂きました。
極上 赤ワインセット |
特選 ワインセット (月々7,500円) ■シャトー・ラ・ジョンカード2009年 ■シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 2009年 ■シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 2010年 |
選り抜き ワイン2本セット (月々6,000円) ■テール・ド・トリュフ2016年」 ■シャトー・ボーリュー2014年」 |
をお届けさせて頂きました。
「シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 2009年」
「シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 2010年」
「テール・ド・トリュフ2016年」
「シャトー・ボーリュー2014年」
は現在一般販売をしておりません。
今回頒布会会員様に特別お届けさせて頂きました。
今週は極上赤ワインセットより、
「【木箱入り】シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1998年」
「【木箱入り】シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 1996年 マグナムボトル」
のテイスティングレポートをお届けいたします。
熟成しているワインです。
当然、澱(おり)が発生しているはずですので飲む前、
最低1日、できるなら1週間程度 ボトルを立たせておくとより美味しく飲めます。
このワインは静かに開けてください。できるなら、グラスをボトルの口につけて注いでください。
こうすることで、澱を攪拌(かくはん)するのを防ぐことができ、雑味が混ざらなくなります。
ボルドーAOC
メルロー:50% カベルネソーヴィニョン:50%
黒ラベルは、樹齢35~45年の成熟した木から、取れたブドウを使用しています。
長期熟成させる程に、ワインに深みのある、香りと味をもたらすカベルネソーヴィニョン種のブドウと、 短期熟成でも、滑らかさを楽しめるメルロー種のブドウのそれぞれの魅力を引き立たせあうことにより、 5年以上の熟成期間で、お楽しみ頂けるワインです。
紫がかった濃紅。
熟したブラックフルーツの香りに、官能的名スパイスがエキゾチックなエレガンスを与えます。
なめらかなタンニンに、しっかりした酸味が特徴です。
【外観】
色合いは黒、赤(というより紅)、
そして茶のグラデーションとグラスの縁の色合いの透明感の美しさ。
このワインは、赤はもちろん、中心の黒味の部分から徐々にグラデーション色の変化が見て取れると思います。
今回のワインのように段階的に色が異なっているワインは熟成をしていることの証です。
【香り】
独特の香りがします。少し蒸れたような香り、そこには果実の爽やかさはなく、花、それもドライフラワーを感じます。
時折、和食タレ、だしを思わせる香りもあります。
【味わい】
口当たりが非常になめらか。丸みを帯びたなめらかさです。
そしてこなれた酸味。果実味が酸味と溶け合っている感じです。
タンニンによる渋味が感じられワインにコクを与えています。
タンニンが細かくなっているもののまだざらざらとした感じがあります。
果実味を増幅してみましょう。
ワインを口に含み、口先をすぼめ、 少し開きそこから空気を吸い込んでみてください。
果実の風味が口の中に広がりますでしょうか。
さらに、鼻の奥にその風味が強烈に伝わってきています。
余韻は短めです。
渋味が口先、歯茎に残っていますがそれとは違うワインの味わい・風味・コクの部分です。
鼻に抜けるワインの香りだったり、喉ごしから戻るような味わいとでも言いましょうか、 その部分が短く感じられます。
時間が経つと旨みがでてきます。
イメージ的には、かすかに味わいを感じる程度に薄めた醤油、 かすかなかつお節の風味のような感じです。
この旨みが熟成ワインの最大の魅力です。
まるで、フレーバーティのような果実の紅茶を飲んでいる感覚です。
果実味に酸味が溶け込み、渋味でワインとしてのコク・強さが現れている中に旨みがでてきています。
旨みだけでも様々な成分の融合であるのに、この味わいの重なり。熟成ワインだけが出せる風味なのです。
とはいえ、ボルドーの赤ワイン特有のカベルネ・ソーヴィニョンの渋味、 収斂性(しゅうれんせい)も時間とともに目立ってきます。
若干、バランスが欠けていると感じるかも知れません。
その上でもう少し開けずにおいておくと、 渋味もきめ細やかなタンニンになり、全体のバランスが取れるかも知れません。
【料理】
舌先に意識を集中させると鉄分を感じさせるような風味も感じます。
この風味があると赤身の肉にあいます。
この鉄分としっかりした渋味を考えると、 合わせる料理はやはり牛肉の脂身が少ないものをシンプルに焼き上げたものが良いかと思います。
素材の味わい、香りといったものに合わせていくことができるのは、まさにワインならでは。
羊肉はもちろん、白身の野鳥のジビエなどの風味とあわせればさらにワインの熟成の風味が合います。
せっかくの熟成ワイン、牛肉以外も合わせてみたいですね。
羊肉のグリル・ローストや思い切ってうずらなどの野鳥や鹿肉など最高でしょうね。
赤身の部分にはその鉄分が合わさり、肉の風味・野性味を強調し、肉を食べていることを実感します。
また、もう少し手軽なローストビーフに肉汁を焦がしてかけて焼き上げたものなど 香ばしい風味や肉の甘みのような旨みにワインの旨みが良く合います。
こういった肉料理の旨み・野性味には、熟成した赤ワインの出番です。
他のお酒では味わえない相性を感じさせてくれます。
ボルドーAOC
メルロー:20% カベルネ・ソーヴィニョン:75% カベルネ・フラン:5%
【マグナムボトルについて】
フランスワインの標準的な、ボトルサイズは750mlであるのに対し、マグナムサイズは2倍の1500mlの量が入っています。
ワインは、ボトルのまま寝かせておいても、どんどん熟成が進んで、 美味しさや香りを変化させていきますが、マグナムボトルで寝かせておくと、 このボトル内の熟成がさらに、美味しさをアップさせるといわれています。
この秘密は、マグナムボトルのややずんぐりとした(1500ml)形状にあります。
注ぎ口の大きさが、750mlの標準ボトルとあまり、変わらないのに、胴体部分がどっしりとして、 注ぎ口部分の空気に、ワインが触れにくくなり、より安定した熟成作用をもたらします。
更に、量が多い為、一般の750mlよりも熟成が穏やかになり、 深みのある良質で飲み応えのあるワインに仕上がってきます。
【外観】
つややかでハリのある外観、中心は赤と黒を3:7で 混ぜ合わせたような濃い色合い。
透明感はなくグラスの向こう側はまったく見えません。
中心からエッジにかけて、赤の割合がだんだんと強くなり、 最終的にはこげ茶色へときれいなグラデーションを形成しています。
このこげ茶色がレンガ色になり、やがてオレンジがかってくると、良い熟成を経た、古さの証しです。
【香り】
コルクを開けてすぐは香りが閉じています。 黒こしょうとすみれの花の香り。
複雑な香りはあまり感じられず、若干インパクトが弱いと感じさせます。
グラスを回していくと徐々に木樽の香りが目立ちはじめ、 更に30分から1時間程置いておくと杉の香り、 バラのドライフラワーのような香りが豊かに感じられます。
【味わい】
口当たりはなめらか。タンニンがきめ細かく溶け込んでいます。
味の特徴はコクのある酸味。程よくフルーティーさを残しながらもフレッシュな酸味とは違う、 梅干のような熟成感をもった酸味です。 アルコールがしっかり乗ったパワフルな感じを受けますが、 それがこの酸味と合わさって違和感なく喉まですっと入ってくる。
後味に苦味がほどよく存在感を主張して心地良いバランスが取れています。
口に含んでから飲み込むまでが流れるようにスムーズで余韻は7秒。
他のヴィンテージと比べると果実感は一番強く感じるのですが、 熟成の甘味をあまり感じません。
液面には透明な層もしっかりと厚く、力強いアルコール感が予想できます。
【より美味しく味わうには】
沈殿物を底にしずめるため、召し上がる1週間程度前からボトルを立てて置いて下さい。
さらに18-20度で召し上がって頂ければこのワインの持つ独特のコクがワイン通も唸らせることでしょう。
お召し上がりになる30分~1時間前に開栓しておくとコクの風味にまろやかさが増し、 さらに深い味わいをお楽しみいただけるかと思います。
【料理】
ワインだけを飲んでいるとすこし飲み疲れしてまうかもしれません。
まさにペッパーステーキが食べたくなる味です。
牛肉の赤身の旨味、脂に感じる甘味、 肉と合わせるならやっぱりボルドーだと強く思わせる味わいです。
スペアリブや子羊など脂の乗った肉料理との相性は最高です。
また梅肉ソースを使った豚肉料理や鳥肉の香草グリルなど、 臭みを消してさっぱりと食べられる料理にも合わせられます。