2018年9月度 頒布会ワイン・レポート3/3

9月度 頒布会ワイン・レポート 3/3
「レ・テラセ・レジ・ブジャベイユ 2016年」「シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル 1991年」



MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、
テイスティングで紹介していきます。



今週は
特選 ワインセットの中から、
レ・テラセ・レジ・ブジャベイユ2016年
シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル 1991年
のテイスティングレポートをお届けいたします。




レ・テラセ・レジ・ブジャベイユ2016年 (赤ワイン)

ラングドック・ルーションAOC
グルナッシュ主体、補助品種:シラー、 カリニャン

レ・テラセ・レジ・ブジャベイユ2016年

産地の特徴
コート・ドゥ・ルーション・ヴィラージュ(Cotes du Roussillon Villages)はフランスの南部の地中海に面し、スペインとの国境に近い温暖な産地。

夏季(6~8月)の平均降雨量は合計しても100mm未満と非常に少なく、土壌は石灰や泥灰を含み花崗岩質で、昼夜の寒暖差も大きく葡萄栽培、特にグルナッシュの生育には適地とされています。

【外観】
エッジには仄かにレンガ色を思わせるルビーがかった色調が見え隠れし、粘性の示すアルコールの揮発度はやや強い。

【香り】

黒胡椒やナツメグ、シナモンといった香辛料、完熟したブラックカラントのニュアンスが感じ取れます。

時間と共に干したエリンギやエノキ茸を彷彿とさせながら、時折コーヒーや紅茶などの香りも立ち上がる。

【味わい】
アルコールのボリューム感をさほど感じさせないスムースな口当たり、収斂性はほとんどなく、酸味とのバランスは非常に良い。

余韻は10~15秒。

【より美味しく味わうには?】
澱はほとんどないが、エアレーション目的でのデキャンタ―ジュはお勧めします。

適正温度は14~16度、グラスは小ぶりのもので楽しみたい。

【料理】
白インゲン豆のカスレ、牛肉のラグーパスタ、ジンギスカン鍋、なめた鰈の煮つけ、渡り蟹(内子付き)のビスク、車海老の豆鼓蒸し、東波肉 etc


シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル 1991年

BIBジョンカード2011



シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル 1991年
ボルドーAOC
メルロー:50% カベルネ・ソーヴィニョン:50%

できれば1週間程、冷蔵庫に立てておいて頂きたいです。

お飲みになる2時間程前に抜栓し、開けたら全部飲み切る事をお薦めします。

美味しく飲める時間が短いワインですが、その瞬間を見極めるのもまた熟成ワインの楽しさかもしれません。



【外観】
色合いは黒、赤(というより紅)、 そして茶のグラデーションとグラスの縁の色合いの透明感の美しさ。

このワインは赤はもちろん、中心の黒味の部分から 徐々にグラデーション色の変化が見て取れると思います。


【香り】
まずグラスを回さずに香りを嗅ぐと、独特の香りがしますね。

少しむぁっと蒸れたような香り。そこには、爽やかな、と言った果実の香りはありません。

果実というより、花、それもドライフラワーを感じます。

そこにスパイスがあわさったかのような感じです。

スパイスもコショウなどではなく、東洋的な風味のつよい、クローブ(丁子)でしょうか。

軽くグラスを回すと香りが変化します。

少し爽やかさが加わったフレーバーティーが感じられます。

時折、和食タレ・だしを思わせる香りもあり、回ったワインが静かになると、 今度は土の香りが感じられます。

裏庭の日が当たっていない黒っぽい深深とした土の香りです。

気が付くと香りの中心は徐々にスパイスの香りが強くなっています。


【味わい】
余韻は短めです。

渋味が口先、歯茎に残っていますがそれとは違うワインの味わい・風味・コクの部分です。

鼻に抜けるワインの香りだったり、喉ごしから戻るような味わいとでも言いましょうか、その部分が短く感じられます。

時間が経つと旨みがでてきます。

イメージ的には、かすかに味わいを感じる程度に薄めた醤油、かすかなかつお節の風味のような感じです。

この旨みが熟成ワインの最大の魅力です。

まるで、フレーバーティのような果実の紅茶を飲んでいる感覚です。

果実味に酸味が溶け込み、渋味でワインとしてのコク・強さが現れている中に旨みがでてきています。

旨みだけでも様々な成分の融合であるのに、この味わいの重なり。

熟成ワインだけが出せる風味なのです。


【より美味しく味わうには?】
このワインは静かに開けてください。

できるなら、グラスをボトルの口につけて注いでください。

こうすることで、澱を攪拌(かくはん)するのを防ぐことができ、雑味が混ざらなくなります。