8月度 頒布会ワイン・レポート 3/3
「シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル1996年 」
「シャトー・レヴィダンス2012年」
MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。
今週は
極上 赤ワインセットの中から、
「シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル1996年」、
特選 ワインセットの中から、
「シャトー・レヴィダンス2012年」
のテイスティングレポートをお届けいたします。
「シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル 1996年」
ボルドーAOC
メルロー:50% カベルネソーヴィニョン:50%
1996年というと20年以上経っているヴィンテージです。
お飲みになる1週間位前から冷蔵庫で立てておいて下さい。
そして飲む30分位に抜栓して、室温になじませてからお飲みいただくと
より美味しくお召し上がり頂けるかと思います。
【外観】
色合いは黒、赤(というより紅)、そして茶のグラデーションとグラスの縁の色合いの透明感の美しさ。
このワインは、赤はもちろん、中心の黒味の部分から徐々にグラデーション色の変化が見て取れると思います。
【香り】
独特の香りがしますね。
少し蒸れたような香り、そこには、爽やかな果実の香りはありません。
果実というより、花、それもドライフラワーを感じます。
そこにスパイスがあわさったかのような感じです。
スパイスもコショーなどではなく、東洋的な風味のつよい、クローブ(丁子)でしょうか。
軽くグラスを回すと少し爽やかさが加わったフレーバーティーが感じられます。
時折、和食たれ・だしを思わせる香りもあり、
気が付くと香りの中心は徐々にスパイスの香りが強くなっています。
【味わい】
口当たりが非常になめらか。丸みを帯びたなめらかさです。
そしてこなれた酸味。果実味が酸味と溶け合っている感じです。
タンニンによる渋味が感じられワインにコクを与えています。
タンニンが細かくなっているもののまだざらざらとした感じがあります。
果実味を増幅してみましょう。
ワインを口に含み、口先をすぼめ、少し開きそこから空気を吸い込んでみてください。
果実の風味が口の中に広がりますでしょうか。
さらに、鼻の奥にその風味が強烈に伝わってきています。
余韻は短めです。
渋味が口先、歯茎に残っていますがそれとは違うワインの味わい・風味・コクの部分です。 鼻に抜けるワインの香りだったり、喉ごしから戻るような味わいとでも言いましょうか、その部分が短く感じられます。
時間が経つと旨みがでてきます。
イメージ的には、かすかに味わいを感じる程度に薄めた醤油、かすかなかつお節の風味のような感じです。
この旨みが熟成ワインの最大の魅力です。まるで、フレーバーティのような果実の紅茶を飲んでいる感覚です。
果実味に酸味が溶け込み、渋味でワインとしてのコク・強さが現れている中に旨みがでてきています。旨みだけでも様々な成分の融合であるのに、この味わいの重なり。
熟成ワインだけが出せる風味なのです
【料理】
舌先に意識を集中させると鉄分を感じさせるような 風味も感じます。
この風味があると赤身の肉にあいます。
この鉄分としっかりした渋味を考えると、
合わせる料理はやはり牛肉の脂身が少ないものを
シンプルに焼き上げたものが良いかと思います。
素材の味わい、香りといったものに合わせていくことができるのは、まさにワインならでは。
羊肉はもちろん、白身の野鳥のジビエなどの風味とあわせればさらにワインの熟成の風味が合います。
せっかくの熟成ワイン、牛肉以外も合わせてみたいですね。
羊肉のグリル・ローストや思い切ってうずらなどの野鳥や鹿肉など最高!でしょう。
赤身の部分にはその鉄分が合わさり、肉の風味・野性味を強調し、しっかりとお肉を食べていることを実感します。
また、もう少し手軽なローストビーフに肉汁をジッと焦がしてかけて焼き上げたものなどふぁっと香ばしい風味や肉の甘みのような旨みにワインの旨みがバッチリ良く合います。
こういった肉料理の旨み・野性味には、熟成した赤ワインの出番です。
他のお酒では味わえない相性を感じさせてくれます。
シャトー・レヴィダンス2012年
ボルドー・シュペリュールAOC
メルロー/カベルネ・フラン/プティヴェルド
赤紫の濃い目の外観に、柔軟でバランスの良い樽の香りが華を添えます。
タンニンと酸が調和してワインの中に溶けているようなバランスの良いしっかりとした味わいのワインです。
2004年ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたj.P.ジャヌイクス氏が造る渾身の1本。
※この時期は一旦締めるという意味で、赤ワインを冷蔵庫で冷やしておき、飲む30分位前に冷蔵庫から出し、
徐々に常温に戻してからお飲みになるとしっかりとした味わいをお楽しみ頂けるかと思います。