2016年 2月度 頒布会ワイン・レポート 2/2 「 シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1995年 2本セット木箱入り 」

2月度 頒布会ワイン・レポート 2/2
「 シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1995年 2本セット木箱入り 」

MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。

今週は、
シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル1995年 木箱入り
の2本セット

をご紹介致します

20年ものの熟成ワインです。
市場ではなかなか珍しいワインです。

最初に瓶詰めした時より、 リコルク 【コルクの打ち換え】 をおこなっておらず、それぞれのコルクの状態によって、 熟成による変化に違いが出る場合があります。

非常に良い熟成で、素晴らしい味わいになっているものもあれば、より柔らかくなっているものもあります。

熟成の状態がよければ、有名高額ワインを超える味わいに巡り会えることもあります。

つまり、同じワイン、同じヴィンテージでも同じ味わいではないという事です。熟成ワインの魅力でもあり、難しい一面でもありますが、飲み方によっても随分味わいも変わってきます。



シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1995年

ボルドーAOC
メルロー:50% カベルネ・ソーヴィニョン:50%

シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル


【外観】.
色合いは黒、赤(というより紅)、そして茶のグラデーションとグラスの縁の色合いの透明感の美しさ。

このワインは赤はもちろん、中心の黒味の部分から徐々にグラデーション色の変化が見て取れると思います。

今回のワインのように段階的に色が異なっているワインは熟成をしていることの証です。


【香り】
まずグラスを回さずに香りを嗅ぐと、独特の香りがしますね。

少しむぁっと蒸れたような香り。そこには、爽やかな、と言った果実の香りはありません。

果実というより、花、それもドライフラワーを感じます。
そこにスパイスがあわさったかのような感じです。
スパイスもコショウなどではなく、東洋的な風味のつよい、クローブ(丁子)でしょうか。

軽くグラスを回すと香りが変化します。少し爽やかさが加わったフレーバーティーが感じられます。

時折、和食タレ・だしを思わせる香りもあり、回ったワインが静かになると、今度は土の香りが感じられます。
裏庭の日が当たっていない黒っぽい深深とした土の香りです。

気が付くと香りの中心は徐々にスパイスの香りが強くなっています。


【味わい】
口当たりが非常~になめらか。丸みを帯びたなめらかさです。そしてこなれた酸味。果実味が酸味と溶け合っている感じです。

タンニンによる渋味が感じられワインにコクを与えています。タンニンが細かくなっているもののまだざらざらとした感じがあります。


■ 果実味を増幅してみましょう。
ワインを口に含み、口先をすぼめ、少し開きそこから「ぼぼぼ」と空気を吸い込んでみてください。果実の風味がフワッと口の中に広がりますでしょうか。さらに、鼻の奥にその風味が強烈に伝わってきています。


■ 余韻は短めです。
渋味が口先、歯茎に残っていますがそれとは違うワインの味わい・風味・コクの部分です。
鼻に抜けるワインの香りだったり、喉ごしから戻るような味わいとでも言いましょうか、その部分が短く感じられます。


■ 時間が経つと「旨み」がでてきます。
イメージ的には、かすかに味わいを感じる程度に薄めた醤油、かすかなかつお節の風味のような感じです。 この旨みが熟成ワインのたまらない最大の魅力です。
まるで、フレーバーティのような果実の紅茶を飲んでいる感覚に陥ります。

果実味に酸味がスッと溶け込み、渋味でワインとしてのコク・強さが現れている中に旨みがじんわりとでてきています。

旨みだけでも様々な成分の融合であるのに、この味わいの重なり。熟成ワインだけが醸し出せる素晴らしい風味なのです。

とはいえ、ボルドーの赤ワイン特有のカベルネ・ソーヴィニョンの渋味、収斂性(しゅうれんせい)も時間とともに目立ってきます。 若干、バランスが欠けていると感じる
かも知れません。その上でもう少し開けずにおいておくと、
渋味もきめ細やかなタンニンになり、全体のバランスが取れるかも知れません。


【より美味しく味わうには】
熟成しているワインです。リリースして20年を迎えました。
当然、澱(おり)が発生しているはずです。 飲む前、最低1日、できるなら1週間~10日程度 冷蔵庫にボトルを立たせておくとより美味しく飲めます。

お召し上がりの30分以上前に開栓して室温に馴染ませておくと良いかと思います。もし、強すぎると感じるようであれば1日前に開栓してみてください。

このワインは静かに開けてください。
できるなら、グラスをボトルの口につけて注いでください。
こうすることで、澱を攪拌(かくはん)するのを防ぐことができ、雑味が混ざらなくなります。



20年を超える熟成、余韻も短くなってきていることから開けたらできるだけ早く飲み切って下さい。 翌日に持ち越さないことをお薦めします。


【料理】
舌先に意識を集中させると鉄分を感じさせるような 風味も感じます。

この風味があると赤身の肉にあいます。 この鉄分としっかりした渋味を考えると、合わせる料理はやはり牛肉の脂身が少ないものをシンプルに焼き上げたものが良いかと思います。

素材の味わい、香りといったものに合わせていくことができるのは、まさにワインならでは。

羊肉はもちろん、白身の野鳥のジビエなどの風味とあわせればさらにワインの熟成の風味が合います。

せっかくの熟成ワイン、牛肉以外も合わせてみたいですね。

羊肉のグリル・ローストや思い切ってうずらなどの野鳥や鹿肉など最高!でしょう。赤身の部分にはその鉄分が合わさり、肉の風味・野性味を強調し、しっかりとお肉を食べていることを実感します。

また、もう少し手軽なローストビーフに肉汁をジッと焦がしてかけて焼き上げたものなどふぁっと香ばしい風味や肉の甘みのような旨みにワインの旨みがバッチリ良く合います。

こういった肉料理の旨み・野性味には、熟成した赤ワインの出番です。 他のお酒では味わえない相性を感じさせてくれます。

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