MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。
今週は、その中から、シャトー・ラ・ジョンカード黒ラベル 1993年 のテイスティングレポートをお届けします。
今回、黒ラベル1993年は頒布会入会継続1年以上の方のみにお送りさせて頂いております。
軽くグラスを回すと香りが変化します。少し爽やかさが加わったフレーバーティーが感じられます。
時折、和食タレ・だしを思わせる香りもあり、回ったワインが静かになると、今度は土の香りが感じられます。
裏庭の日が当たっていない黒っぽい深深とした土の香りです。気が付くと香りの中心は徐々にスパイスの香りが強くなっています。
【味わい】
口当たりが非常~になめらか。丸みを帯びたなめらかさです。そしてこなれた酸味。果実味が酸味と溶け合っている感じです。
タンニンによる渋味が感じられワインにコクを与えています。タンニンが細かくなっているもののまだざらざらとした感じがあります。
【果実味を増幅してみましょう。】
ワインを口に含み、口先をすぼめ、少し開きそこから「ぼぼぼ」と空気を吸い込んでみてください。果実の風味がフワッと口の中に広がりますでしょうか。
さらに、鼻の奥にその風味が強烈に伝わってきています。
【余韻は短めです。】
渋味が口先、歯茎に残っていますがそれとは違うワインの味わい・風味・コクの部分です。 鼻に抜けるワインの香りだったり、喉ごしから戻るような味わいとでも言いましょうか、その部分が短く感じられます。
【時間が経つと「旨み」がでてきます。】
イメージ的には、かすかに味わいを感じる程度に薄めた醤油、かすかなかつお節の風味のような感じです。 この旨みが熟成ワインのたまらない最大の魅力です。
まるで、フレーバーティのような果実の紅茶を飲んでいる感覚に陥ります。
果実味に酸味がスッと溶け込み、渋味でワインとしてのコク・強さが現れている中に旨みがじんわりとでてきています。
旨みだけでも様々な成分の融合であるのに、 この味わいの重なり。熟成ワインだけが醸し出せる素晴らしい風味なのです。とはいえ、ボルドーの赤ワイン特有のカベルネ・ソーヴィニョンの渋味、収斂性(しゅうれんせい)も時間とともに目立ってきます。
若干、バランスが欠けていると感じるかも知れません。その上でもう少し開けずにおいておくと、渋味もきめ細やかなタンニンになり、全体のバランスが取れるかも知れません。
【より美味しく味わうには?】
熟成しているワインです。リリースして20年以上たっています。
当然、澱(おり)が発生しているはずです。
飲む前、最低1日、できるなら1週間程度 ボトルを立たせておくとより美味しく飲めます。
このワインは静かに開けてください。
できるなら、グラスをボトルの口につけて注いでください。
こうすることで、澱を攪拌(かくはん)するのを防ぐことができ、雑味が混ざらなくなります。
22年を超える熟成、余韻も短くなってきていることから開けたらできるだけ早く飲み切って下さい。 翌日に持ち越さないことをお薦めします。