ソムリエの追言「新年と「宿り木」の小話」
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
それでは今年最初のメルマガです。
今回は新年と「宿り木」の小話。
みなさん、「宿り木」をご存知ですか?
冬の枯れ木の上にぼんぼりのようにまぁるいボール状の枝の集まりを見たことはありませんか?
他の樹木に寄生する植物ですが、冬の枯れ木に茂る姿は生命力を感じます。
デコレーションとしては、よくホテルのロビーやパーティー会場にシャンデリアのようにこの時期飾られているクス玉のような枝を見かけます。
これが「宿り木」で、もともとケルトから来た文化です。
フランスではこの「宿り木(gui)」下に立ってキスをすると、その一年が幸せになるそうです。
そこで「Au gui, l'an neuf !」(宿り木で、新年!) と言って「新年おめでとう!」の挨拶をします。
まぁ、キスでなくて抱き合うのでもOKです。
問題は宿り木が小さかった場合、小さい宿り木の下に人が一気に集まってギュウギュウになってしまうことです。
勿論、片手にはシャンパンを持って祝杯です。
そして夜明けまでシャンパンパーティー♪
というわけで、日本のお正月料理にもシャンパンはいかがでしょう。
皆さんはお節とお屠蘇でしょうか。
伝統的なのは落ち着きますよね。
でも祝いの席に泡ものってとってもふさわしいのです。
我が家では、シャンパンと形ばかりのお屠蘇を用意してお祝いします。
なぜなら皆、お屠蘇は一口味わうだけで後はシャンパンの方が好きだからです。
シャンパンの良いところは、甘い煮豆や栗きんとんにも合うことです。
お屠蘇よりさっぱりとしているのも利点です。
そして何より食卓が華やいで気分がさらによくなってしまいます。
酸っぱい生酢、しめ鯖、お刺身、伊達巻、昆布〆、黒豆、田作り、煮物、お雑煮、みかん。
ずーーーーーーーーっとシャンパンでOKですよ。
お客様にショートケーキやカステラなどをお正月に頂きますが、これにもばっちり合います。
宿り木といかずとも、家族の団欒の宿り木ともいえるご自宅でのお正月をシャンパンで過ごすのはお薦めです。
皆様に、温かで輝く一年が届きますように心よりお祈り申し上げます。