ソムリエの追言「ロゼワインの一般的な造りかた」

ソムリエの追言「ロゼワインの一般的な造りかた」


「赤ワインと白ワインを混ぜればロゼワインができるのよね。」

「それは、特殊な例で、現在フランスでは白ワインと赤ワインを混ぜてロゼワインを作る事は禁じられています。ロゼワインの造りかたは赤ワインとほとんど同じなんです。最初に、そこからお話しましょう。」

ロゼワインの一般的な造り方

というわけで、造り方の3回目の今回は、【ロゼワインの一般的な造り方】です。

赤ワインの色・渋みがかすかについているのがロゼワインの正体です。

基本的な流れは、赤ワインの造り方とほとんど同じです。

ロゼワインも基本的に黒ブドウから造られます。

収穫した黒ブドウの房に着いている枝の様な部分を取り除き、実の皮を軽く破ります。

皮が軽く破られた実は発酵槽に入れられます。

発酵槽の中で、果皮などについた自然酵母(又は培養酵母を添加)の働きにより、ブドウの糖がアルコールと炭酸ガスと熱に変わっていきます。

次第に、果皮・種か色素・渋みが果肉・果汁に移っていきます。

その後が、赤ワインとロゼワインの分かれ道です。

赤ワインになる前に、「かもし」呼ばれる漬け込みを切り上げるのです。

「かもし」が、赤ワインが5日から、週単位と長いのに対し、ロゼは半日から2、3日程度と漬け込みが短いわけです。

こうして、赤ワインとは違う 鮮やかなロゼの色合いと、ほのかな渋みがワインに生まれます。

果汁の色合いが目指すロゼ色に近くなったところで、プレスにより果皮・種と果汁に分けます。

引き出した果汁は、発酵の途中である場合が多いので、そのまま果汁のみで発酵を続けます。

この発酵の進め具合で、甘辛度が決まってきます。

発酵を糖分が少なくなるまで行なえば、辛口。糖分を多めに残し途中で止めれば、甘口になります。

発酵を終えれば、後は熟成、澱引き、安定、清澄、ろ過などを経て瓶詰めになります。

このような造り方の代表的なワインが、プロヴァンス地方のコート・ド・プロヴァンスやバンドール・ロゼそれにローヌ地方のタヴェル・ロゼと辛口タイプが主です。

ただ他にも造り方があるのが、ロゼワインの特殊なところです。

出来上がった赤ワインと白ワインをブレンドする方法。

代表例がシャンパーニュ。フランスを始めEU諸国では認められていません。

シャンパーニュ地方だけは例外で、北の産地ゆえ、安定的にロゼワインにふさわしい黒ブドウが収穫できないと困るという理由から、認められているそうです。

南アフリカなどワインの新興国と呼ばれる地域での生産が盛んでもあります。

黒ブドウを白ワインと同じように作る方法もあります。

除梗・破砕後 すぐにプレスすることにより黒ブドウの果皮や種の成分を、ほんの少し、果肉、果汁に移します。

その果汁を、発酵させてロゼワインにしあげていきます。

果皮・種を漬け込まないので、色も渋みも赤ワインよりも少なくなるわけです。

優しい渋みのためか、このタイプのものが甘口に作られることが多いです。

代表的なものにロワール地方のロゼ・ダンジュ(薄甘口)があります。

さらには、高級赤ワイン醸造の副産物的なセニエ法※1でつくられる方法や、ドイツのロートリング※2と呼ばれる方法もあります。

いろいろな方法で造られるロゼワインですが、価格の手ごろな部分も魅力の一つです。

日本でもロゼワインの多くは1,000円から3,000円で手に入るものがほとんどです。

その一方で、あまり知られていませんが、フランス プロヴァンス地方のパレットや、イタリアのアブルッツオ州のチェラスオーロ・ディ・モンテプルチアーノ・ダブルッツオなどは、造り手によって5,000円から9,000円と高価格のものもあります。

そういえば最近フランスでは、その飲み易さからか、若者を中心に、ロゼワインが注目されて人気がでています!

元々南仏において、魚、野菜、お肉何でも合うと、特に生ガキなどは白かロゼです。

最近では春夏においてパリーでも欠かせない飲み物になりました。

日本ではまだまだ広がらないのは、ソムリエが勧めないからでしょう!

弊社のロゼを飲んで、多くの女性がロゼってこんなに美味しいの!?とびっくりする方が多くなりました。

弊社でも同じ作り手のロゼで薄味、濃ゆめ、クレレのコクの有るもの、と3種類用意しています。

薄めのロゼワインと濃ゆめのロゼワイン

当店大人気のロゼワイン
ラーム・ドゥ・ローズ2021年

※1 赤ワインの色合いを濃くし、風味に厚みを出すよう、少量の果汁を引き抜きます。(果皮・種に対する果汁の割合を減らすことによって、成分的に濃くなります)

その引き抜いた果汁を赤ワインにはせず、別に発酵させてロゼワインにする方法です。

※2 混醸とよばれ黒ブドウ、白ブドウを混ぜて発酵、醸造する方法

最後は少し複雑になりましたが、お分かりいただけましたでしょうか