2013年4月度 頒布会レポート 「スィニアテュール・ドュ・クロ・サン・ヴァンサン 2009年」

4月度 頒布会ワイン・レポート 3/3
「スィニアテュール・ドュ・クロ・サン・ヴァンサン 2009年」

MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。
今週はもう1本のサンテミリオン・グラン・クリュ、スィニアテュール・ドュ・クロ・サン・ヴァンサン2009年をご紹介いたします。



スィニアテュール

Signature Du Clos_Saint_Vincent 2009
スィニアテュール・ドュ・クロ・サン・ヴァンサン2009年



外観
縁に紫色を強く残す、赤みを帯びたルビー色。
中心の色は 赤黒く、向こう側がほとんど見えません。

グラデーション も出ていない事から、若くてどっしりとした味わいである と予想できます。


香り
カシス、ラズベリー。可愛らしい実をつけたベリー系の果実味から、グラスを回していくとスパイスの香りが強く感じられます。

スパイスと言っても黒胡椒のような尖った香りではなく八角や甘草といった漢方薬に近い柔らかい香り、樽香からくる木の香りもとれます。

時間を置くと松の葉や杉など針葉樹林の清々しい香り、鉛筆の炭素の香り、チョコミントのような爽快感を伴った甘い香りが出てきます。


味わい
なめらかでしっとりとした口当たりなのに、口に含むとどっしりとした重量感があります。 酸味は優しく、全体にふくよかな印象を与えています。鉄や鉛といった鉱物を感じさせるニュアンスが強く、独特のミネラル感が口の中に広がります。

この辺りの鉄分の要素が、サンテミリオンの地質からくる特徴といえます。

果実味がぎゅっと凝縮している印象を受けます。熟成の深みというよりも若々しい力強さとでも言いましょうか、タンニンはまだ荒く、舌先・歯茎でしっかりと感じられます。

正直、今飲んでも美味しいのですが飲み頃にはまだ少し早いかな、といったところです。

このワインに使われている葡萄はメルロー種。ボルドーでは珍しく、メルロー100%の単一品種から作られています。

メルローといえばなめらかな果実味が特徴で、比較的早いうちから飲みやすいワインが多いのですが、このスィニアテュールはまだまだこれから、複雑味がでてより美味しくなる事が期待出来ます。

サンテミリオン・グラン・クリュの品質の高さを味わえる1本ではないでしょうか。

料理に合わせるのであればやはり肉類、牛肉や仔羊肉です。鉄を感じさせるミネラルから、すこし血が滴るくらいに焼き上げた肉とは最高の相性でしょう。様々なスパイスをたっぷりとまぶしたロースト・ビーフもいいと思います。

ロール・キャベツや牛しゃぶなど、比較的軽めのお料理から、タン・シチューのような濃い目の味付けのものまで。他にも鮪のトロやフォアグラ・ステーキなど上質の脂身をもった食材との相性もオススメです。



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