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2019年12月度 頒布会レポート2/3

12月度 頒布会ワイン・レポート 2/3
「【木箱入り】シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル1990年」



MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、
テイスティングで紹介していきます。

今週は極上赤ワインセットより
【木箱入り】シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 1990年

のテイスティングレポートをお届けいたします。


【木箱入り】シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル 1990年
フランス国旗 ボルドーAOC
メルロー:20% カベルネ・ソーヴィニョン:75% カベルネ・フラン:5%

シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル1990年

お飲みになる1週間位前からボトルを立てておき、 お召し上がりの直前に開栓して下さい。
状態によっては開栓後、少し時間が経ってからの方がより美味しくなる場合もあります。
外観
グラスの中心からエッジにかけて、深い真紅、レンガ色、
そして黄色味を帯びたオレンジへと見事なグラデーションを見せています。

グラスの中に、紅葉の微妙な色調の変化を少しずつ詰め込んだような、不思議と温かみを感じさせる色合いです。
若いヴィンテージのジョンカード赤ラベルでは、黒や紫の色素が強くグラスの向こう側が見えない程に濃い色調を湛えていますが、 30年近い長き年月を経て、ワインに透明感をもった輝きが出ています。

引き込まれる程の美しいグラデーションは熟成ワインのみに与えられる勲章です。
この外観の美しさ、どことなく出ているはかなさは若いワインには出せるものではありません。

香り
ボトルを開け、グラスに注ぐと、辺りに漂う、複雑で、時に甘さを感じさせる、華やかな香り。
香りのボリュームをしっかりと感じます。

グラスを回さずに香りを嗅いで見ると、ハーブとスパイスがあわさった香り。
それ以外は、最初にとりづらいですね。スミレやバラのドライフラワーの香りとでも表現しましょうか。
グラスを回して香りを発たせると、赤い実の皮のような、香りがします。
ドライプルーン、干しイチジクのような香りもあります。

とにかく、表現が難しいですね。まさに複雑。
2分もすると、他の香りもでてきます。削り節でしょうか。
このあたりは、いま、すこし、刺激的に感じますが、もう少しすると、
出汁や醤油の香りに繋がってくると思いますよ。あとは余り言い表現ではありませんが、
タール のような香りもとれます。

様々な香りが現れては、徐々に混ざり合っていき、えもいわれぬ熟成香を発しています。
ナッツのような、香りがそれです。 徐々に甘いキャンディーのような香りも現れてきます。
これらの成分が絡みあってまとまり、一つの芳香をつくっています。
その芳香の塊に入りこんでみると、初めて、この香りは 花だ 果実だと 解かる。
で、一瞬で、まぎれていく。
そう、これが熟成ワインの香りなのです。

味わい
口当たりが、なめらかです。
酸味が張りをあたえ、しなやかさを持ちあわせた、まろやかな味わい。
厚みのある柔らかさが、心地よさを感じさせます。この感触は、熟成ワインならではです。
軽い赤ワインでは、この厚みはでませんし、若いワインでは、このなめらかさはないです。
まさに、ビロードなんて表現が当てはまるでしょう。

しかも1990年産でありながら十分に果実味を感じます。
ただ、面白いのは、果実味に渋味が溶け込んでいる様子、
果実味の成分が粒として網目にならんでいるところに、渋味が入り込んでいるような感じです。
意識を集中すると、果実のボリュームが、縦にも横にも感じるさまは、
グレートヴィンテージならではの生命力、躍動感です。 渋味も細かいながら、強さを発揮しています。
すこしザラツキがあるほど。なかなか、こんなワインには、出会えません。

味わいの変化をはっきりと感じます。
30分もすると、果実味のなかに、よりなめらかな甘旨さがでてきます。
若いワインの濃さの中にある果実味とは違い、染み渡るような広がりのある果実味が印象的です。
甘味も、単なる甘さではなく、丸みを帯びた甘味と磨かれた甘味が一体となったような。
あくまでイメージですが、上質な砂糖を、煮詰めてカラメル上にしたものを、
これまた上質な軟水で味を調えたエキスのような味わいでしょうか。
旨みは、かすかながらも、その存在をみせ、ワインの奥深さを醸し出しています。

グラスの中で起こる現象の正体は単なるワインというよりは、たゆらいながら変化をとげる至極の液体です。
1990年のワインが熟成をしつづけているまさにその瞬間を、感じます。
ただの熟成ワイン、単なる良いヴィンテージワインではこの現象を感じることはできないでしょう。

飲み終わると、今まで存在したはずの舌上の幸福がはかなく、
幻のように姿を消えた瞬間に、奥から呼び起こされる、かすかに熱さをともう、
余韻がさらなる心地よさをかんじさせてくれる。
その余韻も、10秒とやや長め。まだ熟成ができることを、私達にアピールしています。

全体的な味わいを例えるなら、プロフェッショナルから芸術家へ変貌していくような感じです。
なめらかさ、果実味が洗練されていながらも、そのパワーを感じるさまは、まさに芸術の域に入ってきています。
口にしたときに、人々の表情を悦びに変えるワインとは、まさにこのワインです。

より美味しく味わうには
このワインは、澱(【オリ】色素などの成分が合わさってできた不純物:
赤ワイン熟成の証)を落ち着かせるため(配達時の揺れにより撹拌が生じている可能性があるので)、
ワインの到着後できれば1週間以降にお召し上がりになることをお薦めします。

また、お飲みになる1週間位前から、ボトルを立てて、
澱を底に沈めておくとより素晴らしい熟成の風味をお楽しみいただけます。

そしてお召し上がりの直前に開栓して下さい。
開栓後は、デリケートな味わいのため、開栓したその日のうちに味わうことをお薦めします。
※ワインの状態によっては、開栓後少し時間が経ってからの方がより美味しい場合もございます。
もし開栓後すぐの状態で味が硬いように感じられましたら、
少しお時間をおいてから(30分~1時間)お飲みになるとまろやかに感じられるかと思います。

※澱は自然由来の成分なので口に含んでも人体や健康にはまったく問題はございませんが、
澱が舌に触れるとざらつきや酸味、エグ味や苦味を感じる事があり、
ワインの飲み心地が悪くなり、せっかくのワインの風味を損ねる事になってしまいます。

この澱ですが、長く熟成された上質な赤ワインに多く見られるもので、
澱がしっかり出ている事が上手く熟成が進んでいる目安にもなります。

料理
この旨みは、肉料理と出会えば、肉汁の旨みとの相乗効果で、更なる味わいへたどりつけます。
マリアージュなる、料理の組み合わせも、このワインにおいては、こだわる理由もうなづけます。



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